日々是好日

2017/01/30 22:50
いくつになっても...

                   

うちの施設は毎年利用者さんに書き初めをお願いしてます
「初春」「新年」「新春」等々....

そんな中
目を引くのがこの作品
書き初めと言うより願い事かな....
これを書いたのは週3回ご利用のモモさん96歳



貧しい葡萄農家に生まれた彼女は
尋常小学校を出ると直ぐに愛知の紡績工場へ奉公に出されたそうだ

年端もいかない少女が家を遠く離れて辛かっただろうに....
当時を懐かしそうに笑って話すのよね

奉公を終えて実家に戻った時には結構な歳になっていて
仕方なく母方の従兄と結婚して現在の地に
叔母は身体が弱く働き手が欲しかっただけ...

程無くして夫は出征
残されたモモさんは
地べたに這いつくばるように働いて


終戦後
夫が戻り2人の子供にも恵まれてそこそこ幸せだったのに
夫は肺結核にかかり亡くなってしまった

子供と姑を抱えたモモさん
どうやって生きてきたのか

忘れちゃった....って


子供達は成人して
息子さんは結婚して近所に住み子供も生まれて


その息子さんが突然逝ってしまい


夫と息子の二人を見送った

それから30年余り
お孫さんは立派に成長してひ孫も4人

まあまあ幸せだって

ただ気掛かりなのは
一緒に暮らしている娘さん
家の犠牲になって結婚出来なかった....って
モモさんは思ってるみたい

「どっかに良い人居ないかね〜」

モモさんの口癖

娘さん....
多分70過ぎてるよね
そんな歳になっているのに
まだ心配してる

いくつになっても子供は子供

母親ってそんなものなんでしょうか.....ね?


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