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民主主義サミット閉幕 理念で自縄自縛、厳しい声も - 産経ニュース
2023/04/01 07:59
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民主主義サミット閉幕 理念で自縄自縛、厳しい声も - 産経ニュース

https://www.sankei.com/article/20230331-6JUSDWCTCNPXLDSJLLYXQVEYS4/



2023/3/31
民主主義サミットでバイデン米大統領が演説する中、オンライン参加する各国首脳=29日、ワシントン(ロイター)


バイデン米大統領が主宰する第2回「民主主義サミット」が3月30日、2日間の日程を終えて閉幕した。人権尊重や汚職防止など民主主義の強化をうたった共同宣言には、招待された国・地域の6割にあたる73カ国・地域の首脳らが署名した。中露を筆頭とする権威主義陣営に対抗し、民主主義諸国の団結を促すという目的へ一定の前進をみた。同時に、民主主義の理念だけで国際社会を糾合することの難しさも浮き彫りになっている。

今回のサミットには、前回よりも8カ国多い約120カ国・地域が招待された。「民主主義を前進させる政治的意思があるか否か」(米政権高官)を選定基準にしたという。この線引きをめぐっては、前回に続いて今回も異論が出た。

南アフリカのネットメディア「ニュース24」は27日、今回新たに招待されたタンザニアなどアフリカの5カ国では民主化が進展していると評価。その一方、招かれなかったジンバブエについては、年内予定の総選挙が民主的に行われるよう準備しているとして選定基準に疑問を呈した。

民主主義サミットの開催はもともと、2020年大統領選でバイデン氏が公約したものだ。外交専門誌フォーリン・アフェアーズの20年3/4月号への寄稿で、サミットを通じて「自由世界の国々の共通した意思と精神を取り戻す」とバイデン氏は論じた。

中国の台頭やトランプ政権(当時)の欧州軽視などにより、米国が主導してきた「ポスト冷戦」の国際秩序が揺らいでいた。米欧ではポピュリズム(大衆迎合主義)が勢いづき、リベラルな価値観への疑問が強まっていた。

こうした危機への処方箋として、バイデン氏が提示したのが「民主主義諸国の結集」だった。

しかし、昨年2月のロシアによるウクライナ侵略で、世界の構図はより複雑になった観がある。

バイデン政権は対露包囲網の構築を進めたが、グローバルサウス(南半球を中心とした途上国)から必ずしも同調を得られたわけではない。民主主義サミット参加国の中にも、インドやインドネシアなど対露非難から距離を置く国は多い。

国益のために、米国と中露をてんびんにかけるとの考え方も根強い。

「いずれかの国の支援に依存すれば、他方から肘鉄砲を食わずに済まされない」。英BBC(26日電子版)が紹介したザンビアの評論家の言葉だ。ザンビアは前回サミットに招かれ、今回は共催国ともなっている。この評論家は、アフリカ諸国に米国との関係を優先するよう強いるのは、非生産的で長続きしないと指摘した。

中東ではトルコ、エジプト、サウジアラビアという米国の同盟国が前回に続いて招待されなかったもようだ。いずれも民主化をめぐって米国との関係がぎくしゃくしている。

トルコの親政権紙デーリー・サバハ(電子版)は28日、「われわれは(米国によって)輸出された民主主義がアフガニスタンとイラクでどう機能したかを目撃した」と指摘。バイデン氏を名指しして「あなたの教育は必要としていない」と述べ、招待されなかったことに謝意を示す論評を掲載した。

3月にはサウジとイランが中国の仲介で外交関係の回復に合意し、中東での米国の影響力低下を印象づけた。ブリンケン国務長官は30日、サミットの閉会演説で「民主主義には不断の努力が必要だ」と開催意義を語ったが、バイデン政権特有の「民主主義外交」が米国の手を縛っている側面も否定できない。(ワシントン 大内清、カイロ 佐藤貴生)










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