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円安進む 1990年7月以来33年8か月ぶりの水準に | NHK | 株価・為替
2024/03/28 19:35
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円安進む 1990年7月以来33年8か月ぶりの水準に | NHK | 株価・為替

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240327/k10014403621000.html

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27日の東京外国為替市場、円相場は、一時、1ドル=152円に迫り、1990年7月以来、33年8か月ぶりの円安ドル高水準となりました。

外国為替市場では、先週、日銀がマイナス金利政策を解除したあとも、緩和的な金融環境が続くとの見方から、じりじりと円安ドル高が進んでいました。

さらに、27日の東京外国為替市場では、午前中行われた日銀の審議委員の講演で、追加の利上げについて踏み込んだ発言がなかったという受け止めもあり、円を売る動きが一段と強まりました。

このため、円相場は、正午前に、おととし10月につけた1ドル=151円94銭より値下がりして、151円97銭をつけ、1990年7月以来、33年8か月ぶりの円安ドル高水準となりました。

午後5時時点の円相場は、26日と比べて38銭円安ドル高の、1ドル=151円70銭から72銭でした。

ユーロに対しては、26日と比べて20銭円安ユーロ高の、1ユーロ=164円25銭から29銭でした。

ユーロはドルに対して、1ユーロ=1.0827から28ドルでした。

鈴木財務大臣は、記者団の取材に応じ、「高い緊張感を持って市場の動きを見ている。行き過ぎた動きにはあらゆるオプションを排除せずに断固たる措置をとっていきたい」と述べ、市場の動きを強くけん制しました。

市場関係者は「正午すぎに鈴木財務大臣が市場の動きをけん制する発言をした直後は、円を買い戻す動きもみられたが、日米の金利差は縮まりにくいという見方から、円が売られやすい状況は続いている。一方で、政府・日銀による市場介入への警戒感は次第に強まっていて、当面は神経質な値動きが続きそうだ」と話しています。

日銀の審議委員の講演の内容は

日銀の田村直樹 審議委員は27日、青森市内で講演し、「ゆっくりと、しかし着実に金融政策の正常化を進め、異例の大規模金融緩和を上手に手じまいしていくために、これからの金融政策の手綱さばきは極めて重要だ」などと述べました。

ただ、追加の利上げの時期などについて踏み込んだ発言がなかったという受け止めもあり、東京外国為替市場では円を売ってドルを買う動きが強まりました。

円相場は正午前に1ドル=152円に迫り、1990年7月以来33年8か月ぶりの円安ドル高水準となりました。

田村委員は、午後行われた記者会見で、改めて追加の利上げについて問われたのに対し、「『緩和的な金融環境が続く』ということは、『利上げを一切しない』ということではない」と述べました。

日銀 植田総裁「為替は経済・物価に重要な影響及ぼす要因」

日銀の植田総裁は、27日午後の衆議院の財務金融委員会に出席し、円相場が33年8か月ぶりの円安水準となったことを問われたのに対し、「為替相場の動きや水準について具体的にコメントすることは差し控える」と述べるにとどめました。

その上で、「金融政策は、為替相場を直接コントロールの対象としていない。ただ、為替は、経済・物価に重要な影響を及ぼす1つの要因だ。日銀としては、政府と緊密に連携しつつ、引き続き、為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視していきたい」と述べました。

林官房長官「動向を注視 万全の対応を」

林官房長官は午後の記者会見で「為替相場はファンダメンタルズ=基礎的条件を反映して安定的に推移することが重要で、過度な変動は望ましくない。政府としては為替市場の動向をしっかりと注視しつつ、万全の対応を行っていきたい」と述べました。

経済同友会 新浪代表幹事 日本経済への影響に懸念

経済同友会の新浪代表幹事は27日の記者会見で、記録的な円安水準による企業への影響について、「じわじわと円安になってくるということであれば企業の経営的には耐えられるところだが、原材料を仕入れる企業の採算レートを大きく上回ってきていると思う。経済的には影響があると理解している」と述べ、企業の原材料の仕入れコスト上昇など、日本経済への影響に懸念を示しました。

また、円安が進む理由について、新浪代表幹事は、日本とアメリカの金利差などを指摘したうえで、「いろんな企業が海外に資産を持っているが、その収益を日本に戻すメリットを感じていない。お金をそのままドルで使ったほうがいいということで、円に対する需要が非常に低いことがある」と述べ、日本国内への投資などで円を買う需要が少ないことが背景にあるという見方を示しました。

専門家「いつ市場介入が行われてもおかしくない状況」

ソニーフィナンシャルグループの尾河眞樹 金融市場調査部長は27日、円安が進んだ要因について「日銀の田村審議委員が『緩和的な金融環境を続ける』と話したと同時に『ゆっくりとではあるが、着実に金融政策の正常化を進める』とも話し、バランスをとった発言だったが、市場は緩和維持の方向と受け取った。どちらかと言えば(金融引き締めを優先する)タカ派と見られている田村委員の発言だったため、日銀のスタンスも緩和維持だと受け止められた」と分析しました。

政府・日銀はおととし10月に円相場が1ドル=151円94銭まで値下がりしたあと、ドルを売って円を買う市場介入に踏み切りましたが、今後の市場介入の可能性について尾河氏は、「政府・日銀が2022年10月に市場介入に踏み切る前に、財務省の神田財務官は『スタンバイできている』と述べていた。おとといは『常に準備ができている』と発言したが、日本語と英語の違いはあるものの同じ意味なので、当局としての最大級の警戒感を示していたと思う。ここから先はいつ市場介入が行われてもおかしくないという状況だ」と述べました。

その一方で、「仮に1ドル=152円の水準で市場介入に踏み切ると、あたかも当局が絶対に死守したい水準かのように市場に受け取られるところもある。そうするとコントロールが非常に難しくなるので、もう少し引き付けて1ドル=155円くらいで踏み切る可能性もある」と述べています。

日銀が利上げ決定でも円安進む事態になったのは

日銀は、先週行われた金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除し、17年ぶりに利上げすることを決めました。

一般的に利上げをすればその通貨を買う動きが強まるとされますが、今回は、逆に円を売る動きが広がって、円安ドル高が進む事態となっています。

理由の1つは、日銀が追加の利上げを急がない姿勢を示しているためです。

日銀の植田総裁は、3月19日の会見で「金利を引き上げるペースは経済物価の見通し次第になる。ただし、現在、手元にある見通しを前提にすると、急激な上昇というのは避けられるとみている」と述べています。

このため、市場では、日米の金利差が大きい状態が続くという見方が広がり、円売りドル買いにつながっています。

今後の焦点となるのが、アメリカの中央銀行にあたるFRBの利下げの動向です。

FRBが3月の金融政策を決める会合で示した、参加者による政策金利の見通しは、年内に3回の利下げが行われるという内容でした。

市場では6月の会合で利下げを始めるという見方が広がっていますが、FRBのパウエル議長は「ことしのある時点」と明言を避けていて、そのタイミングに関心が集まっています。

円安のメリット デメリット 経済への影響は?

円安が進むと、日本経済にどのような影響が出るのでしょうか。

円安のメリットとしては、海外に製品を輸出する企業や海外で事業を展開する企業にとって、利益を押し上げる効果があります。海外に安く製品を売れるため価格競争力が高まるうえ、海外で稼いだドルなどの外貨をより多くの円に換えることができるためです。

SMBC日興証券が、旧東証1部に上場していた企業を中心に1400社余りの企業の去年4月から12月までの決算を分析したところ、最終利益が前の年の同じ時期より増加した企業の割合は、全体では55%でしたが、このうち自動車など輸送用機器の業種では円安の影響もあって、69%に上っています。

また、円安には、外国人観光客を呼び込む効果もあります。

日本政府観光局によりますと先月、日本を訪れた外国人旅行者は278万人余りと、2月としては過去最多となっていて、インバウンド需要の高まりが期待されます。

一方、円安のデメリットとしては、日本が海外に多くを頼っている、原油などのエネルギーや、穀物などの原材料を輸入する際のコストが一段とかさむことが挙げられます。
とりわけ、輸出が比較的少ない中小企業では恩恵が限られるとの声も聞かれます。

日本商工会議所が去年11月、全国の企業を対象に行った調査によりますと、回答した1900社余りのうち円安基調が業績に与える影響について「メリットが大きい」と答えた割合が3.3%だったのに対し、「デメリットが大きい」との回答は47.8%になりました。

この中では具体的なデメリットとして、原材料、部品などの仕入価格の上昇や、燃料・エネルギー価格の上昇に伴う負担増などが挙げられています。

また、輸入物価が上昇し販売価格に転嫁されることで、賃金の伸びを上回る形でモノの値上げが一段と進めば、個人消費が冷え込む可能性も指摘されています。










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