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♪携帯電話



今日も携帯電話をポッケに入れて歩くけど
待てど暮らせどあの人からの連絡はなくて
まるで

寂しさ

をポッケに入れて歩いている

ような


そんな

こんな

僕です



いっそ

携帯なんて捨ててしまおうかと思うけど
電話帳にいくつもの名前が入っていて

まるで

友達を携帯しながら生きているような


そんな


変な

僕です




もうわけが分かんなくなっちゃって
一人ぼっちになりたくなって
電源を切って

僕に

「おやすみ」



こんなものがなければ



今日も僕は1人




だと思い知らされることもなく生きてけたんだろう




だけどこれが ある から
今日もどこかの誰かのポッケの中に

僕の居場所

が ある んだろう


ふいに携帯電話を暇つぶしがてら見ていると
あのケンカも
あの約束も
残っていて

まるで
僕の歴史を携帯しながら生きているような

そんな こんな

僕です


さらに電話帳の名前をぼんやり眺めていると
どうにもこうにも思い出せない人がいて
まるで

僕よりも僕のことを分かっているような

そんな





です




もう何も分かんなくなっちゃって

 僕 を 僕のもの にしたくなって

電源を切って

 僕 に


「おかえり」



こんなものがなければ



今日も君がいないことを




思い知らされることもなく


生きてけたんだろう






こんなものがあるから
忘れていいようなことも


何ひとつ失くせずに


いつまでも

ずっと


残っている





だけど


だから 今日も



ポッケに入れて



僕は歩いてく





見えもしない
聴こえもしない

君と繋がっている

不思議

見えない糸が
張り巡った

その中で今日も


僕は生きてる



その中で今日も僕は探してる




こんなもの

がなければ今日も君はいないこと

君と確かにいたこと
すぐ隣にいたこと


そんなことのすべてを

僕と君のすべてを


失くせそうにもないこと

忘れられそうにもないこと



だけど
これがあるから

こんなものがあるから

今日も


どこかにいる君の


ほんの少しだとしても



その中の



どっかに


僕の居場所がある




んだろう

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