今日はThanks Giving 。
ありがとう、を色々。
両親へ。
先ず言うべきことは、ボクはあなた方の子供に生まれることが出来たことを、大変感謝しています。今ボクがあなた方から遠く離れたところで、自分が選んだ苦難の中で心穏やかに暮らしていることに感謝しています。幸せだと思えることに感謝しています。
一、二ヶ月ほど前、ボクが思ったことがあります。
あなた方がボクを生んだのは、あなた方がボクの中に何かを望んだからだということ。
それはボクの幸福だけではなく、子を産むことであなた方が得る幸福も含まれているということ。
あなた方はボクに何かを望んだはずです。
初めて名前を呼んでくれたときの嬉しさとか、授業参観に来る楽しさとか、卒業式でもらう手紙の重さとか。
そーゆーのもボクに望んでいたのではないのかな、って、そう思ったんです。
少なくとも、あなた方に顔を見せず、会話もせず、素顔も見せないようなことは望んではいないはずです。
だから、ボクが日本に帰ったときは、そのときは、なるべくそばにいてあげたいと思います。そばにいて、あなた方が願った夢を叶えたいと思います。
一緒に料理作ったりだとか、誕生日でプレゼントもらったりだとか、旅行行ったりだとか。
そーやって、あなた方がボクに望んだコトを、ボクの手で叶えてあげるのが、ボクの使命であり義務のひとつであると、思ったんです。
それが恩返しのひとつにでもなるなら、ボクは喜んで、叶えてあげたいと思います。
兄貴へ。
こっちのホストシスター達は、仲良くしているところよりも「黙れ!」って叫んでいることのほうが多いです。
俺らも結構喧嘩したね。
俺のおもちゃ壊したとか、俺がいたずらして怒ったりとか、色々。
ま、最近はしてないけどさ。
俺はいつも兄貴よりは子供だったから、迷惑かけたんだなってつくづく思う。
今なら、寝る前に兄貴が音楽かけても注意しないし、俺の物壊しても泣き喚いて親に告げ口したりなんかしないと思う。
まぁ、とにかく悪いことしたね。
俺、兄貴がいなかったら、もっと世界を知らなかったと思う。
兄貴が俺の世界を開けてくれた。色んなコトを知った。
兄貴は悪いイメージもあるけど、全体的には感謝してるよ。
俺の兄貴でいてくれてありがとう。
祖父母へ。
じっちに謝りたいことがあります。
今ではもう遅いですが、ずっと謝りたかったことがあります。
当時、じっちはもう家で寝たきりの状態でした。
そのときボクは、新しいおもちゃのイメージが浮かんで、そのおもちゃが欲しくて仕方がなかったんです。
両親は仕事でおらず、車を運転できるのはじっちだけでした。
寝たきりの状態のじっちに頼んで、おばあちゃんがダメだって言ったら、俺すごい泣いたんだよね。じっちにひどいこと言いまくってさ。
そんで廊下の隅で泣いてたら、おばあちゃんがきて、そのあとじっちは車でおもちゃ屋さんまで乗せていってくれたね。
んでも、そのおもちゃ、売り切れだったんだよね。
ホントに、申し訳ないことしたと思ってます。
辛い体で孫のワガママ聞いてくれて、ホントに、申し訳ない。
ずっと謝りたかった。でも、じっちがいっちゃう前に、俺は謝ることが出来なかった。
それを、俺はすごく後悔してます。
めちゃくちゃ明るくて、ユーモアがあったじっちが、俺は大好きです。
命日も思いだせず、あなたの顔を思い出すことも少なくなってしまったこの孫ですが、それでも、あなたが大好きです。
おばあちゃんは、なぜだかめちゃくちゃ元気。
昔はよく一緒にいたもんだったけど、大きくなってからは一日顔を見ないこともあったね。
それをばあちゃんはどう思ってるんだろうか。
だんだん俺の背が伸びてきて、気がついたらばあちゃんはとっても小さくなってしまった。
ボクは少なからず、それを悲しいと思っています。
まるで、おばあちゃんが弱ってしまったようで。
おばあちゃんはことあるごとにボクにお小遣いをくれます。
ボクは毎回、財布からからボクにあげる小遣いを搾り出すおばあちゃんを想像してしまいます。
決して多いとはいえない年金を削って、ボクにお小遣いをくれるおばあちゃん。
ボクは申し訳ない気持ちでいっぱいです。
でもある日、母親がこういってくれました、
「もしそう思うなら、そのお金で恩返しすればいいじゃない。」って。
だから、ボクはあなたに恩返ししたいと思います。
残念ながら、ボクはそれを日本を発つ前にすることが出来なかった。
ボクが帰ったら、そのときは、今までの恩を返すから。
だからそれまで、どうか元気なおばあちゃんでいてください。