怪物は真夜中過ぎにやってきた。墓地の真ん中にそびえるイチイの大木の怪物がコナーの部屋の窓からのぞきこんでいた。おまえに三つの物語を話して聞かせる。わたしが語り終えたら、おまえが四つめの物語を話すのだ。闘病中の母の病気が再発、学校では母の病気のせいでいじめにあい、孤立……。そんなコナーに怪物は何をもたらすのか。夭折した天才のアイデアを、カーネギー賞受賞の若き作家が完成させた、心締めつけるような物語。
映画化されて気になってたのですが、図書館で見つけて借りました。
光の見えない世界に一人ポツンと残されたような孤独感がいつまでも付きまとって、イチイの木さえ、せめてコナーを置いていかないでと思ってしまう。その孤独感に一人耐えて、なんとか前向きに生きようとするコナー。新しい薬は効いているとコナーに言い聞かせる母親。
コナーと仲のあまりよくないおばあちゃんは、母方のおばあちゃんなんだけど、コナーとは上手くいきそうにもなくて。だけど、二人は色々学び合って、暮らさなきゃいけないらしい。
学校でも孤立してくコナー。誰の目にも映らなくなってく。
一人戦うコナーを、誰か抱き締めてあげて欲しいと思う。最後に姿の見えなくなったコナーを見つけて、抱き締めた場面は心がギュッとなった。涙しちゃいそうになりながら読み切りました。映画もみたいな…
「あいつだ。俺、思い出した」「あいつ?」「クリスマス・イヴの終業式の日の自殺者。あいつに間違いないよ。今日、全部、思い出した」“誰か”の自殺を止めるための“名前探し”も大詰めに。容疑者を見守る緊迫感、友だちと過ごす幸福感の両方に満ちたやさしい時間が過ぎ、ついに終業式の日がやってくる―青春ミステリの金字塔。
久々に読んでて泣きました。そういうことだったんだ…。友達を助けるために、みんな集まって無駄かもしれないことを一生懸命頑張ってた。
いつかが、あの日あすなに話したタイムスリップの話。そして徐々に集まった協力者。そして、自殺者だと思われるクラスメート…。どうにかして、止めたい。いつかが必死になって、みんなもその日がやってくるのを、来ないことを祈って。
「青い鳥」のところで、涙が止まらなくて。涙で滲んで読めなくなるくらい。どうか、どうか未来は変わっててと、祈りながら読んでました。
みんなすごく頑張ってた。いろんなことが、みんなの頑張りで変わった。きっと、いい方に変わったんだよね?と、半信半疑ながらも信じようとしてた。すごくいい作品だと思いました。結末を知った上で、もう一度読みたいと思いました。