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サルベージ2






色が綺麗に抜けきった金髪
透いた白い肌
華奢な細い身体

その容姿は酷く美しい

あの池袋の自動喧嘩人形と瓜二つのその姿。


ただ違うのは
青い眼と青い着物


それは臨也のアンドロイトだった。
本体のメインPCがA.ppleだった事から林檎名の『津軽』を名前にした。


「津軽」

名前を呼べば
にこりと笑い、近寄る。

口数は少なく大人しい性格にカスタマイズされた津軽は、静雄とは違う雰囲気を纏っていた。

青い眼が臨也を映す

臨也悲しそうな笑い、津軽の細い腕を引き寄せて膝に乗せた。
静雄と同じ香水を付けさせている津軽を思い切り抱きしめる。

鼻孔を擽る天敵の匂い。
臨也は安心する


「シズちゃん…」

臨也が思わず呟くと
ピクリと津軽の肩が跳ねる。


津軽を抱きしめる時、臨也は時々『シズちゃん』と口にするのを疑問に思っていた。

(…『シズちゃん』は、マスターの何なんだろう…)

津軽は抱き着く臨也の背を優しく撫でながら思う。







サルベージ







今日はすごく天気が良い。
絶好のひなたぼっこ日和だ

静雄はベランダの引き戸を開け、調度陽のあたるそこに布団を敷いて倒れこんだ。

暖かくて気持ち良い

うとうとと意識が遠ざかりかけた時

「何してるの?」

ピンク色した目が不思議そうに静雄を見る。

「…昼寝。今日は休みだから布団干すついでに寝る…。サイケもやるか?」

静雄は眠いのか、舌足らずな口調でおいでと手招きする。


サイケは静雄の言葉を解読出来ず、小首を傾げるが素直に近付いていく。


サイケは静雄のすぐ横に寝転び、これでいいのかと確かめるような視線を向ける。
静雄は笑い、サイケのヘッドホンを外し、その柔らかい人工毛髪を撫でる。

毛並みの良い、猫の様だ。


静雄にまた眠気が襲い掛かり、意識が遠ざかる中
サイケが静雄に抱き着いてきた。
だが静雄は瞼が重過ぎてそれに反応する気も起きなかった。
ただ意識の片隅で淡い嬉しさと気持ち良さにうもれた。



next

話進展してないですね
こんなぐたぐたに進みます。

サルベージ



サイケ、津軽出てきます
ちょびっツみたいなノリ
続くかも







最近のパソコンは凄い。
人型で会話も出来て、容姿も自分好みにカスタマイズ出来る。

学習知能も自我もあり、それは酷く人間らしいけど確実にアンドロイトである。

そんなご時世に静雄はパソコンを一台も持っていなかった。
本人曰く、壊したら勿体ない。扱い方が分からないからだった。

そんなある日、弟の幽から人型のパソコンを勧めてきた。

『初心者向けに説明ツールが付いてるから兄貴でも簡単だよ』
「…でもよぉ」
『というか、もう送ったから』
「は?」

幽からの電話が切れた途端、玄関のチャイムが鳴る。静雄は仕方なくドアを開けた。

そこには見知らぬスーツの男。
静雄は警戒しながらもドアは閉めなかった。

「手前ぇがパソコンか?」
「いえ、私はパソコンメーカーの社員でございます。平和島様のオーダーを受けに参りました」

男は名刺を静雄に渡すと、何やら書類を出し始める。

「希望なされるパソコンの性別、性格、容姿の詳細、希望コンテンツ、その他の要望をこの書類に記載して下さい」

一枚の紙を渡される。
静雄は気まぐれにその空欄を埋めていった。




サルベージ





「初めまして、psychedelic-dです!よろしくお願いしますね、静雄さん!」


世界で一番殺したい奴と同じ顔が静雄に話掛ける。その瞬間、静雄は後悔した。

なんでノミ蟲と同じにしちまったんだろう と

本当に気まぐれだった。
アイツを従えたらどんなに気分が良いのだろう、と思ってしまった。そしたらこの有様だ。こんなの臨也でも何でもないのに。


「…静雄さん?」

目の前のパソコンが不思議そうにに静雄を見つめる。
静雄は舌打ちをして目を反らした


「んで…名前なんつっうんだっけ?…サイケ…?」
「psychedelic-dは商品IDだよ!名前は静雄さんが付けて!」
「…んじゃ、………サイケで」
「(記憶完了)―…よろしくね、静雄さん!」




その日から静雄の生活は一変した。



「静雄さ―ん!起きてよぉ、ご飯冷めちゃう!」

ゆさゆさとサイケは静雄を揺すり起こす。
静雄は眉間に皴を寄せてサイケを睨む。がサイケの顔を見て固まり、状況を把握して溜息を吐く。

「今朝のメニューはトーストにマッシュポテトにハムとベーコンのソテー!カロリーは680cal、おやつにプリン!」

静雄に跨がりながら嬉々と喋るサイケをどかし、静雄はふらふらとキッチンに向かう。
そこにはサイケの言った通りの朝食が並べられてた。

「お前が作ったのか?」
「そうだよ!俺の機能!料理に洗濯、掃除、なんでも出来るよ!」「へぇそりゃすげぇな」

と静雄は摘んだハムを口に運ぶ。サイケがそれを叱ると静雄は苦笑して席に着いて食事をし始めた。

「お前、あと何の機能があんの?」
「携帯電話の代わりも、ディスプレイがあればネットやメールも出来るよ!あとねぇ防犯予測装置!」

サイケはとても楽しそうに静雄に説明する。


「俺のこのヘッドホンはね、人の心音が聴こえるの!それでその人の感情を読んで危害があるかないか分かるの!もし危害があったら俺が倒してあげるからね!」

静雄はサイケの頭にあるヘッドホンを見遣る。
ピンクと白という可愛らしいデザイン、コードは重力に逆らいフワフワと浮いている。


「性格を『素直』って書いただけでこんなになんだな」

ボソッと静雄は呟いた。

サイケとは瓜二つの静雄の天敵。真逆の性格。静雄は今の状況に苦笑した。






next



サイケの主人はシズちゃん
津軽の主人が臨也です。

のんびり書いてきます

マイ携帯擬人化



幽に見える´ω`


よく気絶します
常に容量がパンパン
ブックマの半分がイザシズw

カオスな物も動じない。
でもたまにゲイ動画は拒否る


面倒臭さがり

家では常にご飯を食べている(充電

私に振り向く勇気をください








新宿の喧騒がやけに遠いと感じる高層マンションの一室。

広いキングベッドの上、そこに臨也と静雄は眠っていた。

二人は所謂セフレだった。

最初こそは臨也の一方的な嫌がらせだった。しかし身体を重ねる毎に静雄も快楽に呑まれていった。
身体の相性が良かったのか高校から今の今までこの関係は続いてる。
臨也が静雄を呼び出し、この事務所兼自宅で情事に耽る。
静雄は臨也に連絡はしない。臨也も静雄の家には行かない。

それがいつしか暗黙のルールになっていた。



空気調整機の静かに稼動する音が響く。


臨也と静雄は決まって背中を向けて寝る。
向き合い、愛を語るなんて恋人みたいな事はしない。ただ、惰性したセックスを貪るだけ関係。





静雄は眠れずにいた。
情事の後は必ず疲労感で瞼が重くなるのだが、今日は眠れない。

隣で寝息をたてている臨也を気配で感じる。


同じベッド、同じ布団の中にいるのに、遠く感じる。
静雄は布団の端を握る。


いつからだろうか

静雄が臨也に好意のようなものを抱くようになってしまったのは


最初の頃こそ強姦で、憎くて殺してしまいたくてそれだけでいっぱいだった。
でも臨也が時折見せる優しさや切羽詰まった表情を見ていると憎しみはいつの間にか消え失せ、他の感情が静雄を侵食し始めた。


これが恋だと気付いたのも、滅多にしないキスの時だった。


その恋に気付いた瞬間、報われない事も分かってしまった。

普段から嫌い合っている二人。
目が合えば殺し合いという喧嘩をする。
この身体だけの関係も嫌い合っている者同士だったから続けられたのだろう。

臨也は酷く冷めやすい、且つ思慮深く巧妙だ。きっと嫌い同士だから後腐れなく終われると思ったのだろう、と静雄は考えている。

もし静雄が臨也に好意を示せば、きっと『気持ち悪い、化け物』と罵り、この関係も終わるだろう。
静雄は怖かった。
臨也が自分に見向きもしなくなるのが酷く怖くて涙が出た。

何時の日かくるであろう、この関係の終止符の日を静雄は自らの手で早めるのは嫌だった。怖かった。


静雄は柔らかい枕に顔を沈めて涙を拭いた。しかし涙は止まらない。終いには横隔膜が痙攣し、吃逆まで出てくる。枕を噛んで声を押し殺した。


臨也にばれたら、全て終わってしまう。






でも、もしばれてしまうんだったら

最後の最後にだけ
臨也に抱き着きたい
情事以外で触れたい


馬鹿な事だとは分かっているけど


私に振り向く勇気をください



近くて遠い貴方の背中



end


ズレたけど着地点はほとんどこんな感じだったはず

因みに臨也も全く同じ事を考えています両片想いはぁはあ
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