一通り話を聞いて分かったのは、
昨日私が言わなかった事なんて、これっぽっちも気にならなかったんだろうなって事。
ああ、良かった。
あそこで言わなかった後悔は今日で消える。
…そう思ってる筈なのに、
チクリと痛む心はワガママだ。
あぁ本当に、この気にしがちな性格をどうにかしたい。
言っても言わなくても変わらなかっただろうけれど、きっと私はこの一瞬を後悔するんだ。
綺麗な横顔。
私はいつだって貴方の横顔ばかり見ていた。
でもね。
本当はまっすぐに私のことを見てくれる正面の顔が好きだったんだ。
日常のふとした瞬間を切り取った時に現れる
「きれい」が好き。
夜中にコンビニまでアイスを買いに行った時に、信号に照らされた貴方の瞳とか。
お風呂上がりの水が滴った毛先とか。
乾燥した唇に塗るリップの艶とか。
「見過ぎ。」って咎めつつ柔らかく笑う貴方が好き。