■あらすじ■
便利屋のような会社で働いている礼。
細かな不満はあるものの、それなりに楽しい日々。
そんなある日、礼は社長の命令でかつてとある資産家が住んでいたという屋敷を「宝探し」するよう命じられる。
なんでも、その屋敷は資産家とその愛人が住んでいた家で、愛人が自殺し 空き家になったという「いわくつき」だ。
そんな今回の仕事のパートナーに選ばれたのは社長が最近入社させようと狙っているらしい元レスキュー隊員・朝陽。
無愛想でとっつきにくい朝陽を「苦手だ」と感じる礼だったが、朝陽の抱える哀しい過去やふとした優しさに触れ、少しずつ朝陽に惹かれていくが……?



■レビュー■

まず最初に、「表紙とタイトルの爽やかさに決してだまされないように」と言っておきます。
私は個人的に宮本さんの作品が結構好きなのですが、宮本さんの作品の特徴は第一に「暗い」です。

今作もその例に漏れず攻めキャラの朝陽は「放火殺人で家族を失った孤独な青年」という 暗い、暗すぎる……!な過去持ちです。

最初の一話目はわりと明るめなテイストで進みますが、2話からは朝陽の過去に関連して「殺人犯探し」+「二人のすれ違い」が描かれていって、ボーイズラブ……?状態。

暗い話が苦手な方はほんと無理だと思います。
けど、私はわりと好きなんですよね。
なぜかと言うと、暗いですけど ちゃんと最後には救われるようにできてますし、「人が人を好きになる瞬間」みたいなものがちゃんと描かれていて朝陽には礼じゃなきゃだめだなーって素直に思える。
BL読んでて一番「どうなの?」と思うのは「このキャラってこの状況でこういうことするかな?」と思ってしまうような言動・行動があるってことなんですが、宮本さんの作品はそういうブレがない。
暗いので誰にでもお勧め!とは言いませんが
、割としっかりした重たい話でもいいよってときに挑戦してみても悪くない作家さんだと思います。

とか言いつつも、いつか普通にラブコメとか読んでみたい作家さんです。
お仕事ものの本格的なのとかも描けそうな作家さんなのに、そういうの描いてるのみたことない。もったいない。
暗い方向じゃなく本格的な話をみてみたいなー。
宮本さんが暗いこと萌えだっていうのはなんとなくわかるんですけど笑