2010-4-19 23:28
土曜日に、就職先で解雇を言い渡されました。「この仕事はあなたに合わないかもしれないから」申し訳ないけど今週一杯でというお話で。社長が見ての判断だそうな。実際に言われたのは奥様からだったけど。私は、「おしとやか」で「育ちがよく」て「おとなしい」という評価。だけどこの会社は男ばかりで、荒いしガサガサしてるところがあるし、忙しくてバタバタせわしないし、きっとあなたには合わないだろうと。途中で辞めてしまうかもしれないと。だから、どうせなら早めに…とのことだった。
初め言われた時はただただショックで、頭混乱してて、でも、ああそうか、確かに合わないのかもな、仕方ないな、と思った。しかも社長の意向ということだ。話しはじめて10分ほどで、わかりましたと告げた。
けれどなんだかズルズル話しは続き、結局その20分後には「また来週も来てみます?」となった。
実際に仕事をしてみてどうかと問われた時、私は、まだ一週間しか経っていなくて仕事自体もまだよく理解していないし、これからやって行けそうかと問われたところで判断のしようがないことを告げた。専門的な内容で、全くの未経験なので知識もなく、覚えるのにも時間がかかってしまうだろうと。それでもなるべく早くなんとかなるようには努力する旨は伝えた。
あの仕事は1人しか担当者がいないし、そこが滞ると周りにかなり迷惑がかかるのだ。責任重大。その席にいる人は今月一杯で辞めてしまうので、来月からは一人でなんとかしなくちゃいけない。即戦力が欲しいのに、私の引き継ぎの進み具合があまりに遅いので会社側も困ってしまったのだと考えた。ただでさえ小さな会社。一人が2、3人分の仕事をしなければならないハードなところ。すぐに使える人材でないとダメなのだ。
しかしながら、私は事前にこう言われている。「一人でなんとかできるようになるには一年くらいかかってしまうだろう」と。そうわかっていながらたった一週間で見限るのはおかしいと、両親たちは怒っていた。知識も経験もない素人に専門的なことをやらせようというのだから時間がかかって当たり前だろうということだ。相手が即戦力が欲しいのなら、私は無理だから辞めて、新しい合う仕事を探した方がいいだろうと結論がでた。それは私も考えていたことだ。どこが悪いと言われれば出来る限り直すし、なるべく早く即戦力となれるようにはがんばるが、それまで相手が待てないということであればこれは退くしかない。
土曜日に何度か、辞めます、という意志を示しはしたが、なんだか奥様は、気の毒に思ったんだかなんだか知らないけど考えこんじゃって、結論はそこでは出さず「あなたに最終的な判断は任せる」と言われてしまい、とりあえずまた月曜日から行くはめになった。もうすでに一度はっきり解雇を言い渡されているし、私もそれを了承したのだから、ズルズルと引きずられるよりはその場ですっぱりと話をつけてもらった方がこちらとしてもすぐに次に動けるしよかったのだが、なんだか猶予を与えられてしまった。
とりあえず帰宅して母に話し、そのあと仕事帰りの父にも話し、どうせ月曜日にならないと連絡もとれないからそれまで待って、月曜日朝一に辞める旨を話して引き上げてくることで話は纏まった。
奥様に言われたときはただただショックで悲しくて私ってやっぱり必要のない人間なんだわと嘆いてなんだか憤りも覚えたが話を聞いた父が私よりもプンスカしてたもんだから敢えて私は可笑しくなってきて開き直ってその日はたっぷり寝た。起きたのは日曜日の11:00。それからぐだぐだして16:00に習字に行き、そこで何かが変わった。
本当は習字に行きたくなかった。絶対に、新しい仕事はどう?、と先生に聞かれるからだ。でも今月最終日で清書だし、気分転換になるだろうと母に行けと言われたから行ってきた。案の定先生には質問をされ、現状を全て話した。先生をまたがっかりさせてしまった。とりあえずすっぱりと辞めて、アルバイトでもいいからやりなさいと言われた。もちろんそのつもりだった。今は正社員だとかなんだとか言ってられないし、事務にこだわるつもりもない。とにかく何か職について働こうと思った。アルバイトだと父が納得しないだろうが、私はそのつもりでいた。何もしないよりは遥かにいい。そこで見えてくるものがあるはずだと。
しかし書道で気持ちが落ち着くと、頭が整理され心が鎮まり、今まで見えていなかったことに気がついた。
結論。全ては私が甘かったのだ。
親や親戚に話した時、一週間くらいでダメだから辞めてなどと言うなんて、それはその会社がおかしいのだと言われた。だから、他の仕事を探したほうがいいと。そうやって自分を擁護される言葉を聞く度に、何か違和感があった。そしてそれはどんどんと大きくなった。果たして、そうなのだろうかと。
とりあえず続けてみようかと奥様に言われた後に指摘された私の問題点があった。まず「電話の声が小さい」ということ。これは引き継ぎの人にも言われたことだった。自覚もある。声が小さいというのは過去にもいろんな人に言われてきた。緊張や不安から萎縮してしまうのが私のダメなところの一つでありかなりの問題点だった。指摘されてからは意識して大きな声を出すようにしてきたつもりだ。でもそれはあくまで、つもり、であって自分の基準でしかない。あとは、「もっとハキハキとスピーディーに」ということ。私はとろい。これも自覚はある。よくわからないことをしている分、さらに行動が遅い。周りが忙しい人ばかりで、引き継ぎにも時間がなくて、求められるものは速さだ。几帳面さはあまり必要がないと言われた。私は、仕事はきちんとやっているし丁寧だが、必要なのは速さなのだと。「遅い丁寧な仕事より、速い普通な仕事」なのかもしれない。とても忙しく仕事は難しく責任が重くてさらに時間がないことは知っていた。でもそれはただ知っていただけで解ってはいなかったんだと気づいた。
私は相応の努力をしただろうか?答えは、否、だ。改めて一週間を振り返ってみてそう思った。
「わからない」ことに甘えていたのではないのか。わからないから、はじめてだから、できなくて当たり前だと。私はそれに甘えて努力しなかったのだ。それなりにはやっていたのだが、もっと頑張るべき時にがむしゃらにでも頑張らなかった。これは甘えだ。
おそらく、その点を危惧されていたのだろう。初心者が出来ない、そんなことは当たり前だ。ただ、努力する姿勢が見られなかった。誠意が感じられなかった。おしとやかでお上品でおとなしくて、「お嬢様気分では務まらないぞ」という警告だ。そんな甘い考えならここには要らないから辞めちまえということだ。
この考えに至った時、すごくすっきりした。それまでの違和感がなくなっていた。それと同時に、ここで辞めるのは「逃げ」ではないかと思った。ちょっとやって、合わないと思ったから辞めますは逃げだ。そんなことで辞めてたらずっとそれの繰り返しだ。合う仕事とは一体何だ?自分で何もせずただ待っているだけで望むものが手に入るわけがない。
書道を始める前と終えた時では全く違う考えになっていた。とりあえず帰宅後は母にその考えを全て話した。今ある選択肢は、「辞める」か「とりあえず一週間続けてみる」かだ。
ただ、ちょっと迷いがある。それは本当に合わない場合だ。話に聞いていたよりこの仕事は事務ではない。こればかりは想定外だった。本当にやっていけるのか、これは甘えや弱さだが自信はない。今回のことを戒めて他の場所で頑張るというのも一つの道。今回自分のダメさを真の意味で解ったから、この失敗を改めて次に進むのも選択肢の一つ。
現在はその辺で悩んでいる。
(日曜日に書いた内容をそのままup)