先日見た、テレビ番組NHK「日本人のおなまえ〜映画タイトル!大ヒットの法則〜」、とても面白く勉強になりました。




まずは外国映画が日本で上映される際、邦題をどうするか?が話題になりました。

たとえばあの人気映画「アナと雪の女王」の原題は「FROZEN」、な、なんですと〜!ふ、ふろーずん!?邦題の方が断然いいじゃん!私、この映画、見たことないけど(笑)。

邦題「燃えよドラゴン」、英語版タイトルは「ENTER THE DRAGON」、直訳すると「ドラゴン登場」。これは司馬遼太郎「燃えよ剣」から着想を得たそうで、映画のヒットで「燃えよドラゴンズ」という中日ドラゴンズの応援歌へと展開することになったそう。

邦題「俺たちに明日はない」の原題は「BONNIE AND CLYDE」、登場人物の名前だから、原題だと映画のラストシーンとの落差が凄いことに。

邦題「ジョーズ(JAWS)」、直訳すると「あご」。サブタイトルは「死の海峡」。インパクト優先で「ジョーズ」に。今ではジョーズ≠サメという誤った認識が日本人に浸透しました。かくいう私も、そうです。

邦題「ランボー」、原題「First Blood(先制攻撃)」。日本で大ヒットしたことから、シリーズ2作目からはアメリカでも「ランボー」がタイトルに。

原題「THE LONGEST DAY」は「史上最大の作戦」という邦題に。邦題の方がいい。




日本映画もタイトルで負けてはいません。

「新幹線大爆破」、こちらもセンスがもの凄いです。夢の超特急を爆破って・・・だから国鉄が怒って協力を断ったそうです。




一方で、邦題をつくらず原題を採用した映画タイトルもあります。そこで番組の出演者さんたちがオリジナルの邦題を考えますが・・・ヒットするようなタイトル作りって意外と難しい。

映画「スタンド・バイ・ミー」、原作小説のタイトルは「THE BODY(死体)」。さすがのハリウッドもこれ(死体)はちょっと・・・ということで、主題歌の曲名が映画のタイトルに。昔、S・キングのこの小説を読もうとしたけれど、カタカナ語が苦手な私は挫折しました(汗)。

「バック・トゥ・ザ・ヒューチャー」、「デロリアン」もいい!




そして番組のラストに紹介した映画タイトルが「ローマの休日」。邦題「ローマの休日」は原題「Roman Holiday」。

なんだ、普通じゃん!と思ったら大間違い!英語タイトルには深い意味があったのです!

ローマの休日=Holiday in Rome これが正しい和英。「Roman Holiday」は英語圏では慣用句で、意味は「他人を犠牲にして得られる娯楽や利益」の意味だそう。

由来は、イギリスの詩人バイロンがローマを旅してコロッセオを見たときに、古代ローマ人に想いを馳せて作った詩でした。

バイロン「チャイルド・ハロルドの巡礼 大四部(1818)」一四一連より抜粋


“ぼくの目の前には
剣闘士が倒れている

彼に勝利した
哀れな男を賞賛する
人でなしたちの歓声は
まだやんでいない

剣闘士
その子らの父親は
ローマ人の休日のために殺された
(Butchered to make a Romam holiday)”


古代ローマ人たちの娯楽のために、命をかけた闘いを強いられた剣奴をフォーカスした詩、これが「他人を犠牲にして得られる娯楽や利益」という慣用句に。

まさか「パンとサーカス」に関係するとは・・・

さて、映画の方は主人公・新聞記者のジョーと王女アン、ふたりのラブストーリーに注目して見てしまいますが実はそうではないーーーと。

ジョーは王女のスキャンダルを記事にして報酬を得ようとするし、アン王女は立場を捨てて恋に走ろうとします。まさに、「ローマの休日」!

ラストはまだ見ていない方のため明かしませんが、「ローマの休日」には「Roman holiday(他人の苦しみを得て喜ぶ楽しみ)のような生き方をしたらダメだよ」という隠れたメッセージがあったわけで。

作品中ではなく、タイトルに込められていたとは。そこには脚本家をとりまく状況が関係していたというから、また奥深いです。

次にこの映画を見る機会があれば、ロマンスだけではなく、人生観も含めて鑑賞したいと思います。



end