話題:歴史


最近、戦国時代の本を読む事がある。基本的には幕末史が大好きなのだが、やはり群雄割拠の時代。血湧き肉踊る話の数々だ。

そんな中、不当に低い評価をされていると言わざる得ない人間が二人いると考えている。
一人が豊臣秀頼。太閤秀吉を父に持ち、豊臣の最後を飾る人物だ。

もう一人が武田勝頼。あの信玄公の跡継である。秀頼同様に武田家最後の当首となるのだ。
詳しくは私より下のブログを読んで頂いた方が早い。

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もし、言われる程無能ならば、仁科盛信のような有能で忠義心溢れる部下がついてくれるだろうか?
仁科盛信についても、下記にアクセスして頂ければ、詳しく知ることが出来る。

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だが、本日紹介したいのは勝頼夫人である。

日本史上、最悪とも言える裏切り・寝返りが連続する中、夫人は必死に夫・勝頼に尽くします。


逆境の中、夫人は一通の願文を武田八幡宮に奉納。それを現代文にしたのが、下記である。
「武田家の守り神である八幡様。今、ここに思いがけない逆臣が現れて甲斐の国を悩ましております。夫の勝頼は一所懸命戦っておりますが、武田一族も譜代の家臣も背き、敵方に寝返って、武田の国を滅ぼそうとしています。しかし、勝頼が何をしたというのでしょう。どんな悪心を抱いていたというのでしょう。勝頼は必死に戦っております。どうか霊神力を合わせて勝頼をお助け下さい。」
この願文は今日まで残っております。
願い虚しく武田は滅亡するのだが、僅か14歳の少女が勝頼に全てを捧げるのだ。
そして、勝頼は夫人を戦国のならわし通り、実家の小田原に帰るよう促します。しかし、夫人は断固拒否。
今の14歳と比べたら大人なのは確かだろう。それを割り引いても、14歳の少女が死を賭けて守り、生涯をともにしたいと願う程の人間が勝頼なのだ。



「黒髪の 乱れたる世ぞ はてしなき 思ひに消ゆる 露の玉の緒」

夫人は辞世の句を残し、秀頼と旅立ちました。



私は夫人の気高き心に賞賛を送り、献杯を捧げたい思いである。