話題:水泳
皆さんは10年をどのように感じますか?私にとって10年とは、先を考える10年は長いが過ぎた10年を思うとあっという間だった。
こう答えます。

ここのところ時事問題に吠えた記事が多かったので、今日は違う方向で…。



17才の少年は世界の舞台に踊り出ます。78年200メートル平泳ぎ世界ランク1位。もちろん日本記録樹立。同年の世界水泳で6位。
水泳に詳しい方はおわかりだろう。少年の名前は高橋繁浩。
詳しく知りたい方はまたまた例によってですが、自分で調べて下さい。






日本記録を叩き出し、モスクワ五輪のメダル候補として注目されます。しかし、彼の選手生活は順調に行きませんでした。
翌年にはルール違反を取られ失格となります。そしてモスクワ五輪の不参加。
高橋選手は低迷します。
中学生の頃から全国に知られた才能。スイミングスクール出身のエリートコースではなく、公立中学の水泳部出身。泳ぐのは夏だけ。冬場は懸垂10回やって練習終了。今のトップスイマーからは考えられない状況です。

そんな高橋選手が低迷から抜け出したのが83年。そして84年のロス五輪出場。決勝進出は果たせずに同年に引退をします。おそらく彼の胸中はある程度の満足感があったのかもしれません。

しかし、僅かに残る後悔を果たす気になったのです。彼を苦しめたルールの改正。
高橋選手は何も気にせずに、思い切り泳ぐ事が可能になりました。そして87年に現役復帰。
88年ソウル五輪出場。結果は決勝進出とはなりませんでした。ですが、彼はまぎれもない勝者でした。
なんと日本記録樹立。自分が作った日本記録を、自ら更新したのです。
10年間更新されなかったナショナルレコードを自ら更新。なんと胸のすく事!
10年更新されない記録を出すだけでも凄い事。
17才の自分を10年の時を経て越えて行く。順調な10年ではなかったかもしれません。でも、価値のある10年だった事は確かです。


そんな高橋繁浩さん、現在は水泳中継などで解説者としてメディアに登場します。もし見る機会があれば、この話を思い出してみて下さい。違う視点から見る事が出来るかもしれませんよ?