オイルパステル 2

画材の他に書籍もいただいた。

パステルのための入門書と、
「本棚の本も、好きなの好きなだけ持っていっていいよ」とのことで
美術手帖をはじめ、画集や写真集(假屋崎省吾さんの作品写真集とか。個展に行けずじまいなので結構嬉しかった)紙版的な素材集のようなものなどをいただいた。

昔、箱入りのガロももらったことがある。
僕が本棚の中のそれに気づいて、「わぁ、ガロだ!」と感動したら、その場でくれたのだ。

ガロは、知ってはいるけれど、生まれてないというか世代でなくて。だから現物(厳密には復刻版のようだけど)を手にできるのはとても嬉しかった。

ちなみにガロも、僕には縁のあるモノで。それはまた追々。



パステルって、ぼんやりとした、やわらか〜い絵を描くしかないのかと思っていた。

部活の自由制作で、パステルを選んだ先輩が、カラー(花の"カラー")を描きたくも、輪郭のシャープさと植物のやわさの両方が表現しきれていなくて、先生に何度も訂正させられ、苦労していたのが今でも忘れられない。
故に苦手な感じがあって。

画材はおろか、パステル関係の本すら、手を伸ばせていなかった。


しかしInstagramで見たそれらは、軽快なタッチで楽しそうであった。
ちょっとラフな刺繍のような。気の利いた挿絵のような。

こういう表現もありだよ、と教えてくれた感じ?

オイルパステル 1

Instagramの最新投稿やおすすめの投稿が見られる欄に

絵を描いてる様子のリール?があって



僕は、絵の関連を検索したことも、それに繋がりそうなものを見たこともなく ーとにかくどうにも心当たりがないー

本当に唐突にそれは現れて。


最初は、これから描かれるモチーフが何なのか気になった。
サムネのままだけど、そのまま見続けたらピンクや紫やオレンジのたなびく雲が浮かび上がり、朝焼けの空のような絵になるようだった。

画材は小さく細長いクレヨンのようなもの。
画面の上の方に見切れていたのと、その時はそこまで気にも留めてなかったので、円柱形=クレヨンだと思っていたのだ。

だが、それを注視したと認識されたのか、その次にはチラホラ意図的に流れてくるようになった。
動物、植物、食べ物、ビンなどの静物画のようなもの。

意外にも、スケッチやイラストのような軽いタッチが僕の興味をそそった。

そこで改めて一つの投稿にアクセスしたら、キャプションはごくわずかで、末尾に添えられたハッシュタグに、どきりとした。

#オイルパステル


え?

どうして?



偶然にしてはできすぎている。
だって微塵も検索したことないワード。

アート系が流れてくるのはまだ分かるとしても、数ある枠のなかからドンピシャでオイルパステルが流れてくるってことある?
検索もなにもしてないのに。






オイルパステルは
N氏から生前に引き継いだ画材。


宣告を受けてから、例の秘密基地に呼ばれて、本当に一切合切、絵に関する道具をすべて僕にくれた。
その中で1番メインの画材がオイルパステルだった。
(水彩も、油絵も、普通のパステルも、N氏は一通りやったと思う。その中で直近or/and長く続いたのがこれだったのだと思う)


使いかけ、使い終わり間際もあれば、新品もあった。それを全部。
N氏本人も「高かったからさぁ、捨てらんないし、かぁといって、その辺に売ってもさぁ、?」と言うほどで、僕も本当に恐縮した。

打診は事前に榊への電話連絡で、あった。
確かそこで宣告の話を聞き、終活してて、画材は鮎川ちゃんに貰って欲しいんだけど、ということだった(と思う)。

その時の僕は、仕事でいっぱい、なんならシャッターアートの尾もあって、絵に疲れてた。
負担とまではいかないにしても、意に添えるか分からないから、辞退したい気持ちもあった。

それを申し伝えようとしたら、榊に片腕で制されて

電話を終えて、ただ一言


Nさんの気持ちを、受け取って欲しい、


そう言われて。

僕は引き受けることにしたのだった。


19:23

今日の満月は
とびきり綺麗で、力強かった

東の空にあって
近くの雲を裏側から照らしては
複雑な輪郭を詳らかにして見せ
鈍色に拭きあげて

そのまま強い光で
西の方の空まで
碧く碧く染め上げて
宇宙の高さを見せつけて


白露の月を超える、力強い美しさで
どこまでも眺めながら歩いた


榊が迎えにきてくれたけれど
その時、月は雲にちょうど隠れたばかりで

榊に云うと
今日は大きくて綺麗だったね、見たよ、と
榊も見ていたことを教えてくれた
僕は嬉しく、そして安堵した

見せられなかった月を
榊も見ていた


空も、どこまでも明るくて綺麗だねとも
ともに慶ぶように語り合って
家に帰った

メモを

さっき間違って公開投稿していた模様。

書き途中なので、さげました。


今後も時々、公開・非公開を間違えることがあるかもしれない。
ご容赦ください。

ウクレレと

榊が買ってくれたもののもうひとつにウクレレがある。

付き合いだした当初のこと。
ギターに興味を持った僕に、榊はギターではなくウクレレを勧めてきて、買い与えてくれた。
ギターは6弦のところ、ウクレレは4弦。サイズはソプラノなので小型(ウクレレとしては普通サイズ)。
それでも楽器の素地がないの僕はものの見事に撃沈。ギターに手を出さなくてよかった、とも思った。

それでも、新しいこと、できなくはなさそうなところにハマって、ちょこちょこ弾いていた。
仕事や私生活で忙しくなるとさっさと放置したけどね(笑)

そこから数年単位のインターバルがあくけれど、そうやってたまに引っ張り出しては爪弾いて。
ウクレレのイベントのために、急遽1ヶ月みっちり練習して(といっても使うコードは3つ程度なんですがね)、真夏の横浜まではるばる出かけたこともあった。

そのあとは一気に燃え尽きてまた放置期間(笑)。



そして35年ぶりくらいのいまのタイミングで再燃。

N氏がギター弾いていたので、その影響もあるのかなと思う。
亡くなった月、10月に入ってからほんと無性に弾きたくてしょうがない日々が続いているから。
何も回顧することもしていなかったんだけどな。むしろ、この衝動はどこから?と分析していて思い出したくらいだ(命月忘れかけてた?という意味ではむしろ失礼、、、)

せっかくなのでチューニングして、弾いた。ほとんど忘れていて、スコアブックも初級レベルですらコード表見ながら「やり直す」レベルだったけれど、やっていくうちに勘を取り戻してきた。

榊が買ってくれたのは、高価ではないけれど、ちゃんとしたメーカーのもの。楽器屋さんを何軒かまわって店員さんにアドバイスもらって決めていた(榊が)。
だから何年かぶりに引っ張り出しても、少し音が狂ってるくらいで、本当に問題なく弾ける。
逆にそういうちゃんとしたものだから、何年かぶりでも楽しく、続いているんだと思う。
(店員さんも実演しながら言っていた。安物は弾いてる間だけでも思いっきり音が狂うくらい品質が劣悪であり、そんなものでは「楽しくなくて」結局続かず、もったいないと。最低限でいいから、ちゃんとしたものを持っていれば、ずっと楽しめると。まさにその通りだった)


それとね、珍しく今回僕の物欲が目覚めた瞬間があった。
サイレントウクレレ。もといエレキウクレレで、電源を入れなければ音がほとんどしないという。
これなら夜もできるし、エレキとなればヘッドフォンやアンプという無限大の楽しみが、、、と妄想が広がりに広がり、欲しくなったのだ。

ねぇ、"エレキ"関連に急に引っ張られるのも、N氏の影響?(笑)
だって前にウクレレブームきてた時、いろいろブログサーフィンやリサーチしまくってたけど、全然そんなものにヒットしなかったし、興味もなかったのに。
こんなに心をあっさり奪われて、楽器街を歩き回ったりしちゃったんだよ。

でもね、ウクレレから遠ざかっていたこの数年の間に、大手メーカーが撤退したり、その延長上で探していたタイプのエレキウクレレもなくなってたり。
店員さんいわく「最終的に生音っぽさが欲しくなって、エレキじゃ…ってなってしまうんですよ」
それ、どこのレビュー、ブログでも書かれたこと。二言目にはみんなそれだった。


N氏も、音にこだわってた人だった。ギターも自分で直すし、真空管?も作ってたり(秘密基地は本当に◯◯ガレージとかアトリエみたいな)。
楽器屋に入って、壁にかけられたたくさんのウクレレに囲まれたら、その木の優しい佇まいと、脳裏に蘇るあたたかな響きに、エレキでなくていいかな、と僕自身も思い始めていたくらい。(え、じゃぁ、なんでエレキにいった?←?笑)


とりあえずこの休日はゆったりと弾いたよ。

High Five と 喜びのうた (数少ないレパートリーのなかから)

なんか曲(のタイトル)も、N氏の本音だったりしますかねぇ?
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