現在、1〜7巻まで既読。
ある王国の王位継承権を巡る争いを描いた切なく悲しい物語です。
その王国には第一から第三までの王位継承権を持つ者に、影武者を立てるというしきたりがある。
それぞれ母の違う王女二人と王子にも影武者を探す必要があった。
主人公はある事情から、二番目の王女の影武者となった。二人は同じ13歳。背の高さも同じで、主人公は化粧をすれば王女と瓜二つ。ただし、主人公は男である。
主人公は続けられる限りは続け、その後は自由になるという約束で王女の影武者となる。
しかし、この影武者制度には歴代の王しか知らない秘密があった。
それは王位継承権を持つ者が死亡した場合、その影武者も始末されるという事だ。
<登場人物>
ロバート…主人公。13歳の男。9歳の病弱な弟がいる。影武者になる前は役者だった。普段は王女の話し相手として傍にいる為、影武者である事を知っている人は少ない。
エリザベス…第三王位継承権を持つ第二王女。9歳の異母弟を可愛がっている。異母姉とは仲が悪い。純粋で優しい性格だが少し世間知らず。
ウィリアム…エリザベスの臣下で、ロバートを影武者候補として連れてきた男。ロバートとエリザベスのよき理解者。
ヘンリー…元国王でエリザベス達の父。生涯六度の結婚をし、そのうち五回は悲惨な末路をたどる。死を間際にして王女二人の王位継承権を復活させ、王国に混乱を招く。
マシュー…ヘンリーの影武者。偶然影武者の秘密を知ってしまったが、誰にも話す事はなく、影武者として最期を迎えた。
エドワード…第一王位継承権を持つ王子。エリザベスの異母弟。素直な性格。父亡き後新国王となる。
ジョン…エドワードの影武者。赤髪を金髪に染め、そばかすを化粧で消すとエドワードと瓜二つ。エドワードに親身になって接しているが、裏がありそうだ。
メアリ…第二王位継承者を持つ第一王女。エリザベスの母を憎んでおり、エリザベスとジョンの事も疎ましく思っている。秘密を知った上でマーガレットを影武者として選んだ。
マーガレット…メアリより若い元女中の影武者。ロバートと同じく影武者だと知っている人は少ない。メアリに成り代わる事に誇りを感じている。
フランシス…表向きは馬屋番。裏では影武者の監視・管理をしている。歴代の王に忠誠を誓う。
ジェイン…第四王位継承権を持つ女の子。王族の血を受け継いでいる。周りに利用され処刑されそうになる。王家に復讐を誓う。
他にも後見人、貴族、他国の遣い、レジスタンス等々、多数のキャラが登場します。
7巻時点でエリザベスはロバートに淡い恋心を抱いています。ロバートもエリザベスの身代わりで死ぬ覚悟をしています。いずれエリザベスが女王になる日が来るはず。その時に影武者の秘密を知ったエリザベスはどんな反応をするのでしょうか…。エリザベスが精神的に弱ってきているのが気がかりです。
ロバートもエリザベスも成長期で、あと何年かしたらロバートが影武者を続ける事は難しいでしょう。影武者を続けていても、エリザベスが死んだらロバートも死ぬ。ロバートが身代わりになってもエリザベスが悲しい思いをする。果たして彼らにとって幸せな結末は訪れるのでしょうか。
載ってる雑誌がITANなので、コミックスの発行ペースが遅いです…。めっちゃ続きが気になります!
興味を持った方は是非ご一読を。