すでに一部メディアやインターネット上で話題になっているように、ピエリ守山は2008年、200店舗が入る華々しいショッピングモールとして営業を開始したものの、いつの間にか残されたのはペットショップとカフェ、JTBの旅行代理店、宝くじ売り場という4店舗のみで、13年には「廃墟のショッピングモール」として話題となった。

入店するとまず目につくのは、至るところに貼られた「撮影禁止」の文字。ネット上で話題になっているだけあり、筆者のような物味遊山の客が多く訪れているのだろう。

数少ない入居店舗のひとつ「ペットショップ ミクニ」では、店員はとても感じのいい接客だ。
初売り恒例の福袋はなかったが、サービスで温かいぜんざいを振舞っていた。鍋一杯に用意されたぜんざいを見て、「今日は、かなりお客さんが来るんですか?」と店員に聞くと、首を振り「ぜんざいも余ってしまうかもしれませんね」と力なくつぶやいた。

200店舗が入居できるピエリ守山は、とても大きな施設だ。現在では、4店舗しか入居していないにもかかわらず、電気も暖房も節電をすることなく使用されている様子で、無人のエスカレーターはずっと動き続ける。館内すべてのトイレも使用可能だ。

そんなピエリ守山では、初売りのイベントとして、先着50人の子ども限定で、ピエリ守山特製風船のプレゼントが行われていた。昼12時の配布開始が近づくにつれ、家族連れの姿もちらほらと見えてきて、子供向けの遊戯施設「キッズパーク」には、青と黄色の風船を持った女性がやってきたが、手に持っている風船の数は20個程度であった。

見方を変えれば、ピエリ守山はある意味とても便利で都合がいい場所かもしれない。小さい子どもを連れた家族にとって、子どもがいくら騒いでも駆け回っても迷惑にならないし、おもちゃをねだれる店舗もない。

また、他のショッピングモールと同じように、客の休憩用に数多くのソファーがあちこちに置かれている。
筆者もゆったりとソファーに腰掛けていると、「ひとりでも多くのお客様にご利用いただけますよう、ソファーは譲り合ってご利用ください」との館内アナウンスが流れたが、おそらくかつて賑わいがあった頃から同じアナウンスが使われていたのだろう。(抜粋)
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