オリラジの中田敦彦さんが、ユーチューブ大学でサピエンス全史に挑戦、解説してくれました。
サピエンス全史って、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリの著作で、世界的にベストセラーになった書籍。
人類の起源をかなりの過去からさかのっぼって、記されたモノで著者の歴史的洞察が鋭く著述されている内容なのだそうです。
当方未読ですが、なかなか面白そうです。
氏の解説によると、ホモサピエンスが世界を凌駕したのは、二足歩行でも道具を活用したのでもなくて、濃密な情報を伝達できる会話の中でも特にフィクションを創造する事が出来たからだ。という帰着なのだそうです。
ネアンデルタール人はその骨格からの解析で、ホモサピエンスの様に会話する事はかなわなかったそうで、膂力はホモサピエンスを凌駕していたにもかかわらず、絶滅した。
ホモサピエンスとネアンデルタール人は接触の機会もあったそうで、時に争った事もあったでしょうが、共生もしていたというのが昨今の説で聞いた事があります。
ネアンデルタール人が仲間の死を悼んだ証拠も発掘されていて、埋葬に近い行為を行っていたと・・・。
なのに、今ではネアンデルタール人はいない。これはヤハリ会話、情報の伝達でホモサピエンスよりも、劣っていたので経年でホモサピエンスに駆逐されてしまった。
それは、争いだけではなくて早い話、食い扶持をホモサピエンスに奪われた形で人口が徐々に減少していなくなったと・・・。
ネアンデルタール人は膂力は優れていたものの食料調達の例えば、獣を狩ったり、採集・漁労の折はホモサピエンスの集団作戦には敵わなかった・・・。
そして人が放牧や遊牧、農耕を覚えるまでに、ホモサピエンスは他の人類を駆逐した・・・。
その後、ホモサピエンスの持つフィクションの力は、集団の団結とか識別に効果を発揮する事になって、共通の認識を維持するために神々を創造したと・・・。
神々は高度な進化を遂げてやがて、一神教に落ち着く。
アニミズムよりも、精緻にち密に一柱の唯一神を敬う行為は、集団の組織化に貢献したのでしょう。多神教の国家もいずれ一神教国家に駆逐されて行きます。・・・と著者の見解。
ローマも多神教から一神教へ変遷したように・・・?
この辺りのイスラエルの著者の宗教に関する洞察は、私たち日本人にとって独特の感じも、しないではないとか・・・?とも思うのですが、ユーラシアの大陸辺りでは、確かにその様な歴史が脈々と流れて行きました。
いずれ科学的発想を持てる程、人類は余裕が生まれて来て宗教的な感覚よりも、どうやら科学的感覚の方が、世間の間尺に合う場合がある事を悟り、いずれ産業革命にも至る事になり、それと並行して経済の便宜上、貨幣が便利である事も、そのフィクションの創造力から経済で大いに活用したと・・・。
そう考えれば貨幣経済、日本では金と銀の為替が発達したように欧州エリアでも貨幣経済が発達していった。
科学と産業の発達は、資本主義を産んで大航海時代を迎え、株式会社を設立して資金の調達が莫大に得られるようにもなって、保険という発想も産まれてますます、経済は肥大化・・・。
その過程には、ホモサピエンスのフィクションの力が関わって来た・・・。
なるほどそうなのかもしれません。人間以外の動物には仮定法はあるとは思えない・・・。
もしもこうだったらこうなるとか、アーなるのに・・・。という発想は、どんなに賢いチンパンジーでも無理な事でしょう。
サピエンス全史は、この先の未来を人類がどのように歩んでいくのかを、問うているそうです。
もはや大国同士の戦争の可能性は少なくなる一方、地域的な小競り合いはまだまだなくならい。資本主義経済は格差を産むけれども、社会主義や共産主義では人は納得できなかった。
人類のフィクションはある時代までは一見、上手く作用して来たのかもしれません。けれども、これからもその様に作用するかどうかは判らない・・・?
地球上でのホモサピエンスの増殖にフィクションの力が作用したという発想は、あながち当たっているかもしれません。
生物には生き抜こうとする進化があって、それはウィルスでさへ姿・形を変えて繁殖をしようとする。
植物だって工夫する。人類の欲求はソモソモ生き抜こうとする生物の持つ掟に従っているのは如何やら否定できない・・・?
ホモサピエンスは思考で今までを乗り越えてきた・・・。
もしかしたら、新たな何かを創造して進化するかもしれません。あるいは、生物の限界を知るのかもしれません。
それはまるで、宇宙の外を見るかの様・・・?
未来人はおそらく、極小や極大での出来事とか現象の謎、物質とエネルギーのまだ見えざる謎とか、ダークマターにダークエネルギーなどの謎にもチャレンジして、刻々とパンドラの箱を開けるかもしれません。
その時、新たな何かを得て、更にうまれるであろう謎を解こうとするのかもしれませんネ。
サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福 [ ユヴァル・ノア・ハラリ ]