月曜日。いつも弁当ですが、翌日のネズミランド計画のため外ランチ。
昼休み内という時間制限でまったりできないのが難ですが、うまかったです。(ヨダレ)
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拍手パチパチありがとうございま!!
なんだろと思ったら花井バースデーだったのですね。もぎゃ。
何も用意してなくてゴメンナサ;
つーか、阿部誕しか覚えてなくてゴメンナサ。榛名のはAが何度も言うのと戸田北オンリの日だから最近覚えました。(酷い)あ、あと水谷のも覚えてる。(忘れんな)
遅ればせながら、ハピバ花阿。
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「あ、そういや花井って誕生日いつだっけ?」
前を歩いていたタレ目の男がそう言って振り向いた。
「……お前、わざとか?」
「は?何が」
いらっとした様子で眉間にシワをよせたところを見ると天然なのだろう。
「…聞いてどーすんだよ」
「や、別にどーもしねえけど」
なら聞くなと思ったが、聞いたときの反応を知りたい欲に負けて口を滑らした。
「昨日だけど」
一瞬目を丸くして、だけどそれはたった一瞬だけですぐに不敵な笑みの形に曲がり、
「へえ。そりゃ、おめでとうございました」
ニイッと笑った顔が前を向き直ってそれっきり。たったそれだけ。
その背中を眺めながら、沈黙の中に虚しさを感じた。俺はコイツに何を期待してたのか。
こんなことなら適当に流しておけば良かったかと思ったが
「そういや、梓ちゃん」
とからかうように再度振り向いた阿部に動揺させられて。
「…名前で呼ぶな」
「梓ちゃんが昨日ソワソワしてたのって、やっぱ誕生日だったから?」
「な…に言って」
「何か期待してたんだろ?」
「してねえ!」
「ふーん?ならいいけど」
つまんねえな、ハゲ。と呟いた。聞こえてんだけど。
「ロッカーにさあ…」
と阿部が前を向いたまま言いかけてやめた。
「ロッカー?」
「何でもねえ!」
急に走り出した阿部は首をかしげたままの俺を置いて先に部室に入って行ってしまった。
扉の前で躊躇する。
(ロッカーに何?)
ノブを回して扉を開くと着替え途中の阿部のシャツを脱いだ背中が目に入った。思わず見入りそうになるのを自粛して花井は隣のロッカーを開いた。
きちんと整頓されたロッカーの中に無造作に投げ込まれた異質な紙袋。
「…阿部、ロッカーにって?」
「んだよ、着替えてっからこっち見んなハゲ、チカンー」
「見てねえよ!」
いやホントは見てたけど。慌てて視線そらしたけど。
「…開けていいか?」
「さあ?いんじゃね?」
素知らぬ顔で半袖インナーを着て下を着替え始めた阿部の隣で。紙袋をガサリと開く。
「…タオルが三枚」
「ハゲにはタオルがお似合いだろ」
洒落っ気も何も無い真新しいタオルを見て溜め息をついた。
「…いらねえなら返せよ」
「誰に?」
「は?」
「まさか誕生日を知らなかった隆也君がくれたりしないよなあ」
「うっせ、ハゲ。お節介。ハゲ。梓のくせに!」
「名前で呼ぶなっつってんだろ」
「お前が先に呼んだんだろ!」
真っ赤な顔で抗議する自分より少し背の低いタレ目の男が無償に可愛く見えるとか、どんだけ末期なんだと花井は自嘲ぎみに笑った。
阿部は自分が笑われたと思ったのか不機嫌そうに眉間を寄せた。
仕方ないから、機嫌を取るためにそのツンツンの黒髪を撫でた。阿部は黙っている。
「お前、これ毎朝ワックスで硬めてんの?」
「うるせー。ハゲには教えねえ」
「ハゲじゃねえよ」
「ハゲだろ」
キリの無い会話の間に春の陽気とともに部室に入って来た者が割り込んだ。
「あー!…二人ともヒドいよ、俺だけ置いてくなんてー!」
「いや、阿部とはたまたま一緒になっただけだし」
「つーか、クソレがもたもたしてっから悪いんだろ」
「えええ、酷いー」
水谷を構い出した阿部の横顔を眺めながら、胃がモヤモヤし始めたのを感じた。原因はもう気付いている。
「…独占欲、か」
「あ?何か言ったかハゲ」
「いや何も…」
阿部のくれた真新しいタオルに顔をうずめて溜め息を吐いた。
違うよそれは恋だよと、誰かが囁いた気がした。
顔を上げるとそこにもう阿部はいなくて、一人残っていた水谷がいつもと違う雰囲気でへらりと笑っていた。よく見ると目が笑っていなかった。
「でも悪いけど、負ける気はないから」
「…へ…え?」
一方的に宣戦布告をされた花井は、ポカンと口を開けたまま、先にグラウンドに出て行った水谷を見送った。変な汗が背中を伝った。
真新しいタオルを頭にギュッと巻いて出たグラウンドは、まるで戦場のような気がした。当の阿部は相変わらず三橋の一挙一動を気にしていたし、水谷は何ごとも無かったかのようにへらへら笑っていた。
「花井君、そろそろ始めようか」
「っ…はい!」
モモカンの声に我にかえった。
召集の声をかけたら阿部もこっちを向いた。タオルを見てニイッと笑った。顔に血が昇るのを感じた。
春はとっくに来ていた。
もうすぐ夏がやって来る。
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END
花井誕なのに水谷との争奪戦が始まってしまいました。
9割は阿部の魔性が原因で(?)
残りの1割は、M星の好みの問題です(←酷い)
えーと、この話…続きません(こら)
初めから誰も期待してないですか、そうですか。
もう過ぎちゃったけど、
花井ハッピーバースデー☆
これからも本誌では田島に、同人的には阿部にも翻弄される、西浦のお母さんでいてくださ。←