もうずいぶん前のお話

ある年に伯父が鬼籍に入りまして,その初盆で親戚一同が会しました。
居間に集まり熱を帯びて来た宴の途中に突然,落ちた床の間の掛け軸(驚!)

一瞬にして宴は静まり返り,互いに顔を見る親戚一同
宴は再び始まりましたが,何と無く感じる在るはずのない伯父の気配
隣に座っていた従兄弟に促されて床の間の上の方を見ると,件の伯父が宴を見下ろしています。

葬儀の時にチト一悶着あった伯父,その表情は少し寂しさと遺族の振る舞いに対する申し訳なさを含んだような表情が数年経った今でも忘れられません。

今はもう,当時のように集まる事はありませんが,あれはあれで記憶に残る夏のお話


ここまで読んでくれてありがとう
また会いましょう